深夜12時過ぎ、息子からLINEが届いた。
こんな時間に…。
胸騒ぎがした。
大切な我が子の身に何が起こったのか!
Gがでた・・・
「Gがでた」
G? G? G・・・ロック画面に現れたこのアルファベット1文字に、私の頭の中で20年前の痛ましい思い出が徐々に蘇ってきた。
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息子の父親、すなわち私の夫は、学生の頃からお尻に「G」と言う爆弾を抱えていた。
病気のため自宅療養していた頃、それは時々爆発していた。
確か、彼は「花が咲いた」と表現していた。
花が咲いたときは、それを人の手でグイッと中に入れれば痛みはなくなる、そういうタイプの「G」だった。
私は会社に勤めていたので、平日の昼間、夫は自分の実家で療養していた。花が咲いたときは、夫の両親が入れていた。
「ちょっとお醤油とって」的な感覚で、彼の実家ではその恐ろしい行為は普通に行われていたのだ。
しかし、ついに私にもその日がやってきた。
のどかな日曜日の昼下がり。
「ちょっと、入れてくれる?」
ここは私と夫の家。もちろん彼の両親はいない。
・・・・・(見つめ合うこと10数秒)。
痛がる夫のすがるような眼差しに、心を決めた。
恥ずかしさと屈辱感、キモさと人命救助、妻として、嫁としての責任、いろんな感情の中で、それを「入れて」あげた。
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昼下がりのG事。
20年ぶりに思い出してしまった。
こっちの「G」だったのね
「G」の一文字に、あの日の思い出を走馬灯のようにぐるぐる駆け巡らせていたが、LINEを開くとすぐ安心した。
「ひとりで駆除した」
あ〜、アレね。はいはい。あ〜そうか。
ほっ。くすっ。ぷっ。
昔を思い出して、ちょっと複雑な感傷に浸っていたが、次の瞬間には安堵とともに笑っていた。
息子は小さい頃から、虫が大の苦手だった。Gが出た時は女子のようにギャーギャー騒いでいた。そんな子が一人暮らしをするようになって、Gを退治できるようになるなんて・・・「G」という隠語にもセンスを感じる。(その頃私は「G」が一般的に使用されていることを知らなかった)
息子の成長に、また別の感傷に浸っていた。
読んでGの如し
Gは遺伝するのだろうか、とか考えたりして、6分の間にひとりで泣いたり笑ったり。
「G20」とか見たら、クスッと笑ってしまう今日この頃だったwww
終わり
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